米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐって県が国を訴えた訴訟の控訴審判決が15日、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)であった。裁判の対象にならないとした一審・那覇地裁判決を支持し、県側の控訴を棄却した。県が埋め立て承認を撤回したことの是非については一審同様、判断しなかった。
2013年の仲井真弘多元知事の埋め立て承認後、海底の軟弱地盤が明らかとなり、県は18年に承認を撤回。防衛省沖縄防衛局は、埋め立て事業を所管する国土交通相に行政不服審査法に基づき審査請求し、国交相は県の撤回を取り消す裁決をした。この裁決の取り消しを求め、県が自治権の侵害などとして19年8月に国を相手に提訴した。
一審判決は、県の訴えを、国や自治体が裁判で争うことができる「自己の利益や権利の保護を求めるもの」に含まれないとして、審理の対象ではないと却下。控訴審で県は「(一審は)司法の果たすべき役割を放棄して違法に裁判を拒絶した」などと主張し、審理の差し戻しを求めていた。
控訴審判決は、裁決の取り消しを求める裁判の提起には、私人が裁判を受ける権利によって救済が認められるべき利益が必要だが、県には同等の利益がなく、原告として認められないと結論づけた。
一方、判決は、最高裁判決を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル